りょうまの表記は「龍馬」と「竜馬」はどちらが正しいのか?
「竜」の字は常用漢字の新字で、「龍」は旧漢字になります。そのため、坂本龍馬が生きて時代には「龍」の字が正となります。龍馬自身も一度もこの文字を使ったことがありません。
例えば父親が書いた龍馬宛の書類です。「龍」の字が使われているのがお分かりいただけましたでしょうか?
出版社や新聞社の校閲ルールによっては常用漢字を使うが必須になっているため、坂本竜馬と表記しているところもあるようです。
坂本龍馬記念館のこだわり
国立国会図書館のレファレンスのデータベースで「りょう」の字について以下のように回答しております。
Q:坂本龍馬の「龍」と「竜」の文字表記について。どちらが正しいのか。
A:
坂本龍馬記念館ホームページのQ&Aの回答によると、「りょうまの名前ですが、どちらの方が正しいと断定する事は坂本龍馬記念館という立場上難しいかもしれませんが、当館では以下のような考えに基づき展示等を行っています。「龍馬」と「竜馬」についてですが、龍馬自身は「竜」の字は一度も使ったことがありませんので、当館では「竜馬」という表記は絶対しないようにしています。
竜馬と表記する人について
これは筆者の勝手な憶測もありますが、坂本龍馬のファンは司馬遼太郎の『竜馬がゆく』に読んで好きになった人も多いです。そのため、そのまま「竜馬」と表記してしまう人も多いと推測しています。
ですが、司馬遼太郎は実は意図的に「竜馬」と表記しています。それについて、司馬遼太郎は、窪内隆起氏との会談で次のように語っています。
「なんで、略字の竜なのですか」と。僕ら高知の人間はずっと「龍馬」に慣れ親しんでいましたから。すると「僕は学者じゃなくて小説家だろ。この小説は僕の竜馬だし、自由な竜馬を書くんや」。さらに、「龍馬の方は平尾道雄先生をはじめとする方々にお任せすればええ」といわれました(週刊朝日「「週刊司馬遼太郎13」二〇〇六年四月二十一日)
というようりに小説の竜馬と史実の龍馬を使いわけたかったとことが伺えます。